先日、以前勤めていた会社の後輩から相談を受けました。
内容は、
「実家へUターンしたい」
「夫婦でネットショップをやりたい」
というものでした。
取り扱いたい商品はエクステリア商材。
現在もエクステリア業界に勤めているため、商品自体には日常的に触れています。
ただ、話を聞いているうちに、正直なところ私は「今の状態ならやめた方がいいかもしれない」と思いました。
もちろん後輩のことが嫌いなわけではありません。
むしろ頑張ってほしいと思っています。
それでもそう思ったのには理由があります。
何から始めればいいか分からない状態だった
相談を受けた時にまず感じたのは、「何から始めればいいか分からない」という状態だったことです。
開業方法。
ショップの作り方。
自社ECにするのかモールにするのか。
どんなお客様をターゲットにするのか。
商品をどうやって仕入れるのか。
そういった部分がまだ固まっていませんでした。
漠然と「ネットショップで独立したい」という希望だけが先行している状態でした。
もちろん最初から完璧に決まっている必要はありません。
ただ、少なくともネットショップは開店したら売れるというものではありません。
だからこそ、「何を武器に戦うのか」は最初に考える必要があると思っています。
エクステリア業界にいることと、売れることは別
後輩はエクステリア業界で働いています。
そのため、一般の方より商品に触れる機会は多いと思います。
ただ、営業職ではありませんし、施工現場に出ているわけでもありません。
そのため、
お客様がどこで悩むのか。
どんな質問をするのか。
どの商品と比較するのか。
どうやって問題を解決するのか。
そういった部分については、実際にお客様対応をしている人とは少し違うように感じました。
ネットショップを運営していると、思ってもいなかった質問が届きます。
納期は?
取り付けできますか?
他の商品との違いは?
うちの家でも使えますか?
こういった質問に答え続けることで、商品知識だけではない経験が少しずつ蓄積されていきます。
「好き」は強みになる。でもそれだけでは足りない
話を聞いていて感じたのは、「エクステリアが好き」という気持ちは伝わってきたことです。
ただ、商売として考えると、それだけでは少し難しいとも感じました。
例えば私もエクステリアが好きです。
展示会へ行くのも好きですし、新商品を見るのも好きです。
メーカーの担当者と話をするのも好きです。
ただ、お客様からすると、「店長がエクステリア好きなんだな」だけでは購入理由にはなりません。
お客様が知りたいのは、
どの商品を選べばいいのか。
何が違うのか。
自分の家に合うのか。
失敗しないのか。
そういった情報です。
つまり、好きという気持ちを、お客様に伝わる価値へ変換できるかどうか。
そこが重要なのだと思います。
ネットショップは商品を並べる仕事ではない
ネットショップというと、商品を登録して販売する仕事というイメージを持たれることがあります。
もちろん間違いではありません。
ただ実際には、
商品ページを作る。
問い合わせに対応する。
レビューを集める。
ブログを書く。
SEOを考える。
広告を調整する。
メーカーへ確認する。
そんな地味な仕事の連続です。
ショップの方針によっては、ブログや広告に力を入れず、モールへ集中するという選択肢もあると思います。
それもリソースを集中させるという意味では十分ありだと個人的には思います。
ただ、どちらを選んだとしても、商品を並べるだけで売れるわけではありません。
私自身、今でも毎日のように商品ページを修正しています。
カゴ落ちを確認することもあります。
お問い合わせを記事にすることもあります。
ネットショップは、そんな魔法のような仕事ではありません。
後発で始めるなら差別化が必要
今は多くの商品がインターネットで購入できます。
エクステリア業界も例外ではありません。
同じ商品を販売しているショップはたくさんあります。
そうなると、なぜその店で買うのかという理由が必要になります。
価格かもしれません。
専門知識かもしれません。
レビューかもしれません。
ブログかもしれません。
ただ、何もない状態から後発で参入する場合、その理由を作るのは簡単ではありません。
よほど業界に精通していて独自の視点を持っているか。
とにかく作業量を確保できるか。
あるいは不本意ですが、薄利多売で勝負するか。
何らかの強みは必要になります。
特にエクステリア商品は高額なものが多いため、お客様も購入には慎重になります。
だからこそ、新規参入の場合はまず「なぜこの店で買うのか」という理由づくりが大切だと考えています。
だから私は、「ネットショップをやりたい」という気持ちだけでは少し危険だと思いました。
私が伝えたかったこと
誤解してほしくないのですが、私は後輩に「独立するな」と言いたかったわけではありません。
伝えたかったのは、独立も含めて「ネットショップを甘く見ない方がいい」ということです。
商品を並べれば売れる時代ではありません。
好きだから売れるわけでもありません。
だからこそ、なぜお客様が自分の店を選ぶのか。自分は何で差別化するのか。
そこまで考えてから始めた方がいいと思っています。
屋号をどうするか。税金をどうするか。そういった話は、事業として成り立つのかをしっかり考えた後でも遅くありません。
ネットショップは決して楽な仕事ではありません。
ただ、その地味な積み上げを続けられる人にとっては、とても面白い仕事だとも思っています。


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