銀行に数字を説明するために、データを取り続けている

小規模EC運営

前回の記事では、売上やアクセス数を記録することで、一日単位の売上に振り回されなくなったという話を書きました。

売上を記録し続けて分かったこと。一日単位で一喜一憂しなくなった理由
ネットショップを運営していると、どうしても毎日の売上が気になりませんか?今日は注文が入った。今日は注文が入らなかった。売上が大きかった。売上がゼロだった。特に一人で運営していると、その日の売上がそのまま気分に影響することも少なくありません。…

実は、数字を記録していて良かったと思う場面がもう一つあります。

それが銀行との面談です。

私はこれまで、日本政策金融公庫や信用金庫に融資の相談へ行ったことがあります。

面談の目的はもちろん融資の相談です。

サイトの改修には資金が必要になります。

エクストリムでは、これまでに軽自動車が購入できるくらいの金額をサイト改修に投資してきました。(笑)

もちろん利益の一部や手元資金から捻出する方法もあります。

ただ、それだけでは打てる施策が予算との兼ね合いになってしまったり、実行までのスピードが遅くなったりすることがあります。

また、仕入れとの兼ね合いで手元資金が不足する可能性もあります。

そういった意味でも、私は融資を積極的に活用しています。

そして面談を受けるたびに感じるのは、

「頑張っています」という言葉よりも、「数字で説明できます」の方が圧倒的に伝わるということでした。

実際、初めて信用金庫の面談を受けた時に、売上推移などをまとめた資料をお渡しすると、「助かります!」と担当者の方がおっしゃっていました。

最初は銀行のためではなかった

売上やアクセス数を記録し始めたのは、銀行へ説明するためではありません。

以前の記事で書いたように、一日の売上に振り回されないようにするためでした。

今日は売れた。

今日は売れなかった。

そんなことばかり気にしていると精神的にも疲れてしまいます。

だから売上や注文件数を記録し始めました。

その後、アクセス数や決定率、商品追加数、ブログ記事数なども記録するようになり、少しずつ数字を残す習慣ができていきました。

当時はまさか、その記録が銀行との面談で役に立つとは思っていませんでした。

銀行は「頑張っている」だけでは判断できない

実際に銀行や公庫と話をしていると、「売上はどうですか?」だけでは終わりません。

過去と比較してどうなのか。
繁忙期と閑散期はあるのか。
アクセスは増えているのか。
今後は何を強化していくのか。

そういったことも聞かれます。

当然と言えば当然です。

銀行は応援団ではありません。

融資したお金が将来的に返済できるのかを判断しなければいけません。

そのため、毎日頑張っています。商品登録をしています。ブログを書いています。という話だけでは弱いのだと思います。

数字があると説明しやすい

その時に助かったのが、普段から記録していた数字でした。

例えば、「今年の売上は厳しいです」という話だけでは、それ以上説明できません。

ただ、「今年は厳しいですが、一昨年と比較すると上回っています」とか、「売上は落ちていますが、アクセス数は増えています」という話になると見え方が変わります。

もちろん、それだけで評価が決まるわけではありません。

ただ、自分自身も状況を整理しやすくなります。

実際、数字を見ながら話をしていると、感覚ではなく根拠を持って説明できる安心感がありました。

例えばエクストリムの場合、平均購入単価はおおよそ5万円前後です。

月間アクセス数がどの程度あり、そのうち何%が注文につながるのかも把握しています。

さらに商品ページやブログ記事を追加した時に、どれくらいアクセスが増えていくのかも過去の数字からある程度予測できます。

もちろん未来を正確に当てることはできません。

ただ、

「商品ページを増やせばどの程度の成長が見込めるのか」
「ブログを増やせばどれくらいの集客につながるのか」

という説明はしやすくなります。

ECは資産の積み上げ型のビジネスです。

一足飛びに売上が伸びることは少ないですが、その分、数字の変化を追いやすい特徴があります。

私は銀行との面談の際、最初に10年計画を作成し、その中でこうした数字をもとに今後の成長について説明しています。

ありがたいことに、これまで融資を断られたことはありません。

もちろん数字だけが理由ではないと思います。

ただ、少なくとも説明の説得力にはつながっていたのではないかと感じています。

10年計画で目標を設定したら、データから目標達成に必要なユーザー数を割り出し行動に落とし込む。

売上だけでは見えないこともある

ネットショップを運営していると、どうしても売上ばかり見てしまいます。

もちろん売上は大切です。

ただ、売上だけでは分からないこともあります。

例えば売上が落ちていても、アクセスは増えているかもしれません。

商品ページは増えているかもしれません。

ブログ記事も増えているかもしれません。

そういった数字を見ていると、今は苦しい時期なのか。

それとも将来につながる投資期間なのか。

少しずつ見えてくるようになります。

銀行との面談でも、そういった数字は説明材料になります。

数字は未来を保証してくれない

もちろん、数字があるから融資が通るわけではありません。

未来は誰にも分かりません。

景気も変わりますし、業界全体の動きもあります。

想定外の出来事だって起こります。

ただ、なぜそう考えているのか。なぜその投資が必要なのか。という根拠は示しやすくなります。

私は数字を取る一番の価値はそこにあると思っています。

記録は後から資産になる

数字を記録するのは正直面倒です。

毎月入力する作業もあります。

グラフを作ることもあります。

それでも続けていると、「あの時はこうだった」という記録が残ります。

売上管理だけではありません。

経営判断にも使えますし、銀行へ説明する時にも役立ちます。

何より、自分自身のメンタルを保つのにも役立っています。(笑)

自分のために始めたことが説明する力になった

最初は、売上を見たい。傾向を知りたい。それだけでした。

ただ続けていると、

自分のため

経営判断のため

銀行への説明のため

と役割が増えていきました。

小規模ECを運営していると、どうしても感覚で判断したくなることがあります。

私自身もそうでした。

だからこそ最近は、「なんとなく」ではなく、「数字で確認する」ことを意識しています。

そして、その積み重ねが事業を説明する力にもつながっているのだと思います。

また、融資を受けるたびに感じるのは、銀行や公庫も返済できる見込みがあるかを真剣に見ているということです。

もちろん数字があるだけで融資が通るわけではありません。

ただ、売上の推移やアクセスの推移、今後の計画などを見た上で融資を実行していただけるということは、少なくとも事業として一定の評価をしていただけた結果なのだと思っています。

そう考えると、数字を記録することは単なる売上管理ではなく、自分の事業の価値を客観的に確認する作業でもあるのかもしれません。

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